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○概要
国際社会における日本の位置づけを考えると、資源や武力を持たず、外交的な交渉能力が必ずしも高くない日本は、安全保障面では米国 に多くを依存しつつ、経済力のみによって国際的な存在感を発揮してきた。しかし、既に経済力がピークアウトし、しかも少子高齢化が急速
に進行しつつある一方で、中国等のアジア諸国が急速に経済力を高めていることを勘案すると、日本が今後も経済力のみによりアジア、世界におけるその存在意義を維持することは困難であると考えられる。
一方で、昨年Gross National Cool (GNC)に関する論文が発表されて以来、日本のポップカルチャーの強さ、かっこ良さ、世界的競争力が認知されつつある。しかし、日本のポップカルチャーが語られる場合、将来の有望産業といったもっぱら経済的な観点からのみ語られる場合が多い。しかし、ジョセフ・ナイが提唱したいわゆる「ソフトパワー論」にもあるように、ポップカルチャーが経済力に代わる日本の世界における強み・存在意義となり、日本の安全保障の強化にも資する可能性が存在する。
そこで、安全保障と文化の関わりを理論面・実体面から検証し、また文化の中でのポップカルチャーの位置づけ、国際関係における環境変化等を踏まえた上で、ポップカルチャーが日本の安全保障に貢献し得るメカニズムを明らかにする。その際、「ソフトパワー論」を超えて、ポップカルチャーが新たな国家関係の形成のきっかけ、起爆剤となり得る可能性も検討する。
○目次(案)
1.安全保障に関する研究における文化の位置づけ
2.実際に文化が安全保障の強化に活用された事例
3.文化の中でのポップカルチャーの位置づけ、特性
4.国際関係を取り巻く環境変化
5.ポップカルチャーが安全保障に貢献し得るメカニズムの
批判的考察(1)(「ソフトパワー論」的アプローチ)
6.ポップカルチャーが安全保障に貢献し得るメカニズムの
批判的考察(2)(ソフトパワー論を超える積極的アプローチ)
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